ハースストーンと愛妻、あと好きなもの

3児の父・社会人ハースストーンファンの趣味と備忘録

ロマンシングサガ3を大人になってやったら名ゼリフに超感動した話

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こんにちは、macomoです。

先日ロマサガ3こと、ロマンシングサガ3リマスター版を購入しました。

 

今日はこの愛してやまない、大好きなゲームのことを書きます。大人になって久しぶりにプレイしたら、かつてやった時とはまた違った感動があった、そういうお話をします。

 

伝説のゲーム、待望のリメイク 

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オリジナルの発売から20余年がすぎた令和元年の11月11日、各種現役ハードで一斉にリリースされました。

 

リメイクの噂が世に出回ったのがもう何年か前。僕はこの日をいまかいまかと待ち望んで、いよいよ念願がかなった。そんな気持ちでワクワクしながらswitch版をダウンロードして今に至ります。

 

8人の人生、8通りのロマン

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ロマサガ3は、男女8人の主人公から一人を選び、同じ世界を8人それぞれの歩き方で冒険していく物語です。フリーシナリオシステムというコンセプトで作られており、広い世界地図のどこであろうと(ゲームの進行上そこに行けるかぎり)どういう順番で攻略してもいいという柔軟な遊び方ができるのが特徴です。

 

ありがちな一本道ストーリーという概念にとらわれず、プレイヤーの好きにお話を味わう順番を決められるので「自分で誰かの人生を切り開いている感じ」が楽しめます。

 

ヒロイックな共通シナリオ

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もちろん8人の主人公の誰を選んでも、ゲーム全体をつらぬく大きな物語=共通シナリオはきちんと用意されていて、なんのために冒険しているのか?という目的は見失わないようになっています。

 

「300年目の宿命の子」をめぐる物語

おおまかなあらすじでいうと、300年周期で太陽が完全に「蝕」になるきまりがあり、その周期ごとに「魔王」か「聖王」が誕生すると予言されている世界のお話です。

 

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作中現在がそのいちばん新しい「300年目」をすこし過ぎたところで、いまこの世のどこかにいるであろう「宿命の子」ははたして「魔王」なのか「聖王」なのか、前者であれば世界は滅び、後者であれば人類は未来に希望をもっていられる、そんな壮大な物語がゲームの背骨をつらぬいています。

 

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宿命の子はいまどこに?

 

ミカエル様大好き

僕は8人のうち「ロアーヌ侯爵ミカエル」という主人公が好きで、彼を主役にしたゲームを何周も繰り返しやっていた思い出があります。

 

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王者の宿星、小剣の使い手

 

なので、リマスター版をプレイにするにあたって今回も僕は思い出の推し主人公ミカエルを選択しました。

 

懐かしさに胸がいっぱいになり、それでいてかなり久しぶりのプレイなので新鮮な気持ちでもあり。待望のロマサガ3をいまこうして遊んでいることに、言い知れない感動を味わっていました。画面をながめているだけでジーンとします。

 

今回はセリフを味わう

大人になってやり直す今回は、セリフのひとつひとつを味わおうという気持ちで臨みました。なにが書いてあって、どういう気持ちなのか、ぜんぶ受け止めよう。スピード攻略とかはほかの人に任せますから、僕はロマサガ3をなめつくすように楽しんで歩いていきたい。そうして、キャラの吹き出しをひとつひとつなぞるように読んでいきました。

 

さて、そんな気持ちでゲームをすすめることわずか数分。

 

あ、あれ?

 

このゲーム、やっぱすごいな・・・。

 

子供のころはそこまで考えてなかったけど、

 

あらためてよーーーーくセリフのひとつひとつを噛みしめるように読んでいると、

 

テキストワークがとんでもなく洗練されていることに気づかされます。

 

なんていうか、

 

わずかな文字数に、とてつもない情報量が込められているんです。

 

一語一語の選び方。

 

言葉のセンス。

 

セリフの切れ味。

 

キャラクターに則した、この人物ならこう言うよね、という表現のしかた。

 

吹き出しのなかにおさまる一行14文字程度のテキストに、

 

性格や、状況や、背景や、世界観や、陰謀や、意外性や、感情が、

 

これでもかってくらい詰め込まれています。

 

そのことごとくが素晴らしく研ぎ澄まされていて。

 

開始ほんの数分のところで僕はゲームをすすめる手を止めてしまうくらい感動してしまいました。

 

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「私が死ねばあれも生きてはおられぬ身よ」

 

 

おお。。。

 

な、

 

な、

 

なんっだ、このセリフ!!!!!!!

 

 

 

かっこよすぎるでしょ!!!

 

はい、ゲームいったんストップ。とめてとめてー。

 

名ゼリフに込められた意味

えー。

 

ちょっと、語ります。

 

このセリフは、

 

先代侯爵の没後を継いだ若きミカエルが、侯爵家の混乱に乗じた裏切り者ゴドウィンによるクーデターを予見し、あえて謀反をおこさせることで一味郎党一網打尽にしてやろうとする恐るべき策略をはりめぐらしている状況で。

 

自陣兵力を「ゴドウィンにぎりぎり勝てそうな最小戦力(=ゴドウィンがミカエルに勝てると勘違いしたくなるぎりぎりの弱さ)」に見せかける作戦で裏切りをそそのかしたいというリスキーな罠を張っているところに、

 

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そうとは知らない妹のモニカ姫が

 

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「お兄様、ゴドウィンが裏切りましたわ! 危険です!」と危急の知らせを命からがら告げにきてくれたんだけど、

 

「いや、むしろゴドウィンを裏切らせること自体が私の罠なのだからモニカが来ちゃうと計画くるっちゃうんよね(汗)」と若干こまっているところに、

 

でも可愛い妹のモニカの、兄を心配に想うゆえの純粋な勇気をむげにもしたくないロアーヌ侯爵めっちゃイケメンだから、そんなことは本人にはちっとも伝えず護衛をつけて先に安全なポドールイのお城に逃げていなさいとうながして、か~ら~の、頼れる戦力「傭兵『トルネード』ハリード」にだけぽつりと本心をつぶやいて言うに、

 

実はかくかくしかじかゴドウィンは私の手のひらの上で踊っているだけなんだ、とは言うもののハリードはそうした状況を理解したうえで、

 

「え、でもそれっていま先に行かせたモニカ姫を十分に守ってあげられないってことじゃないのか? 策略は見事だけど、モニカは死ぬかもしれないぞ」

 

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という心配に対して――

 

 

 

 

 

 

 

「私が死ねば、

 あれも生きては

 おられぬ身よ」

 

 

 

 

 

 

 

ほ、

 

 

ほ、、

 

 

ほわああああああああああああああああああああ!!!!!!

 

かっこ!

 

かっこ!! 

 

かっこええええええええええ!!!!!!!!!

 

なんやそれ、溺愛か!??? 兄姉の愛、重っ!!!!!

 

どんな信頼だそれ!????!???? すご! すご!!!

 

あまりにも、あまりにも、あまりにも、セリフがキレッキレ。

 

「私が死ねばあれも生きてはおられぬ身よ」

 

ひゃあー、言ってみてえ!

一度でいいから言ってみてえ!

 

情報量すごい

なんたってこの一文に凝縮されている情報量がすごい。すごいなんてもんじゃない。なにがすごいって、戦場を統べる大局的視点から、急に個人の愛に話が転換しているからグッとくる。

 

裏切り者ゴドウィンを殺すために、三千の兵士を犠牲にすることとて厭わないミカエルの思想、冷徹なる為政者の死生観。

 

それは軍の責任者としての視点であり、ハリードを前に論じている策略は要するに「大義や領地のためなら、ひとつひとつの人命には死んでもらってかまわない」というを話をしているはずでした。

 

だから前提としては、モニカも例外ではありません。戦況の変転によっては、モニカは死ぬ。それは知っている。王者は当然織り込んでいる。だから「モニカが死んでいい」という話なのか。否。ミカエルは違う角度から見解を述べるわけです。

 

それは愛。絆。私は、生き残らねばならない。護衛の少ないモニカの道行きを案じるのと同じくらい、私の敗北と死は彼女にとって重いのだ、と。要は、「あの子は、私が死んだら後を追って死ぬに違いない」という決死の確信。己が生きる理由。なにを天秤にかけ、なんのために非情の決断をするのか。その覚悟の深さ。冷徹な判断と、愛情深い勇気。

 

妹の死の可能性、暗殺・処刑される危険を考慮しないほど馬鹿ではなく、さりとて彼女の死を当然のコストとわりきれるほど冷たい人間でもなく、けれど為政者として身内だけ特別扱いする弱さをみせるわけにもいかない、そんな複雑な立場におかれたキャラクターが逡巡とともにつぶやく絶妙のはぐらかし

 

そういう全部が、

 

「私が死ねばあれも生きてはおられぬ身よ」

 

という一文に凝縮されているわけです。

 

(いやあ素直に解釈すると、「ロアーヌ候たる自分が死ねば、妹のモニカも処刑されるから生きてはいられないよね、彼女の安否を思うことに戦術上の価値はなかろう?」という意味も成り立ちますが、僕は「あの子は私のあとを追って自害する子だから、私の生存可能性を最大化することがひるがえって彼女を守ることになるのだ」という意味が込められている説を推したいです)

 

こんなのはほんと序の口で、全編こんな調子。セリフ回しが深くってかっこよくって泣けてゾクゾクして、読みものとして一流なんです。ロマサガ3っていま改めてやり直すと、つくづくそういうところが素晴らしいなあ、って思います。

 

900文字で感動させられて

しかも繰り返しになりますが、短いフレーズでズバリかっこよく意味を伝える狙いが、文章のとてつもない洗練を実現させています。

 

上記にあげた複雑な策略や兄妹の絶対的信頼関係、君主としての葛藤などたくさんの情報は、なんと文字数にして927文字で過不足なく伝わってくるんです。(数えましたが誤差あるかも><)

 

ミカエルのこのかっこいい名ゼリフまで、たった900文字強で表現してみせているわけです。プレイヤーに短文でどれほどかっこいい夢をみせるか。ゲームデザイナーの執念。テキストワークへの芸術的なこだわりを感じますね。

 

まとめ

ロマサガ3は名作。

いまあらためてやっても、本当にそう思います。

こんな調子で、感動するたびに叫びながらプレイの手をとめていたらクリアするのはいったいいつになるんでしょうね。

 

ともあれ、やったことある人もまだの人も、ロマサガ3は最高の最高の最高なのでぜひぜひ遊んでください。

 

いまなら発売記念セールで何割か安く買えるんで超お得です。定価で買ってもまったく損しません。いまは買ったもんがちとしか言いようがありません。勝ち確です。

 

そしてミカエル様をともに愛でましょう。マスコンバットやったらまたこの記事を読みにきてください。

 

それでは、また。