ハースストーンと愛妻、あと好きなもの

3児の父・社会人ハースストーンファンの趣味と備忘録

ディーンフジオカは完全無欠なんかじゃない、の話。

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こんにちは、macomoです。

先日、三谷幸喜監督最新作「記憶にございません!」を観て、そのことを記事に書きました。

 ↑記事はこれ。

 

僕は三谷幸喜が前々から言っていた「中井貴一の本領はコメディにある」みたいな発言が気になって、中井貴一の到達点を自分の目に焼き付けるために映画館に行きました。その、つもりだったんです。
 
ところが、映画館を出る頃にはすっかり別の役者のことで頭がいっぱいになっていました。
 
もちろん、ディーンフジオカのことです。今日はそのことを書きます。
 

恋かよ、いまさら。

映画を見終わって、僕の脳裏にはディーンフジオカの端正なマスクのことばかりチラついていました。彼の演じる役・井坂という男は、僕には好きになれないタイプのイヤなやつでした。でも、それなのに、心に残って離れない。どうしてだろうか? おそらく、演じているディーンフジオカという男に秘密がある。そう思いはじめて以来、僕は日常のさまざまなすきま時間に、映画の中のディーンフジオカを思い出してはまじまじと見つめるクセみたいなものができていることに気がつきました。
 
僕は思い出します。ディーンフジオカは完璧だった。まず、眼鏡がいい。静かな知性と、目の奥のあたたかさ。そのどちらをもやさしく増幅してくれるおしゃれな眼鏡と繊細そうなインテリ感。
 
にもかかわらず、眼鏡の印象に打ち消されない筋肉の隆起と、それを包み込むようにして引き締める黒いスーツの似合うこと似合うこと。
 
演技の良し悪しは、声と、姿と、歩き方に表れます。脚本の上の人生をまるで本当にあったかのように思わせてくれる声と姿と歩き方。ディーンフジオカは、見事なお芝居で井坂という存在しない男の過去と未来を僕にまざまざ予感させました。
 
考えれば考えるほど、やはりこの首相秘書官・井坂なる人物はディーンフジオカにしかできないキャラクターだったなと思います。三谷幸喜が役者に役をあてはめて考えるのはよく知られていることですが、これはそのなかでも特に相乗効果の著しい好例です。
 
また井坂は、この映画のミステリアスな部分を一手に引き受ける大切な役どころでもありました。いくつもの二面性を備えた、複雑なキャラクター。ある角度から見れば敵に見え、ほんのちょっとずらすと味方に思える。大人の色気をみせたかと思えば、つぎのカットでは少年がいる。横顔は、さながら氷。岩と岩とで美しく磨かれた雪解けの水。そんな冷え冷えとした男を見ているつもりで、ふとしたときに炎だと気付かされる。目だ。目の奥にあたたかい炎がある。その熱を見つめていると、彼のほうからこちらを見つめ返していた。ハッとさせられる。なんだろう、これは。きっと恋だ。恋にかぎりなく似ているなにかだ。
 
いまさら恋かよ。恥を知れ。でも、僕はディーンフジオカのことが気になってしかたなくなってしまいました。だって、第一、めっちゃかっこいい。あの顔、完璧だ。どこをどう切り取っても絵になる。カメラよカメラ、この男をはよはよ映してくれ。笑顔だ、この男の笑顔を、だ。苦笑いを。嘲笑を。あどけなく笑うほがらかな目元を、あますことなくだ。
 
そんなふうにして、すっかり熱にうかされた僕はディーンフジオカを賛美し、神格化し、叶うことならせめて彼の眼鏡になってみたいとさえ思い、その気持ちを爆発させるように先の記事を書いたわけです。
 
で、記事のタイトルに僕はこう書きました。ディーンフジオカに弱点はあるのだろうか?と。いやいやございません、と。彼に弱点らしい弱点なんかないのだ、ミスターパーフェクトなんだ、僕は本気でその時そう思っていました。
 
ところが。
 

弱点がない男という誤解

あれからしばらく経って、記事へのリアクションにもいろいろ触れ、僕はあらためてディーンフジオカのファンの気持ちになってみました。弱点がない男。それははたして、本当の意味での褒め言葉なんだろうか?と。
 
僕は考えました。ハースストーンと妻とディーンフジオカのことを毎日考えました。
 
もしかしたら、ディーンフジオカが弱点なき完璧な男に見えるというのは、ディーンフジオカ初心者がいかにも陥りがちな、よくある(そしてファンにとっていささかうんざりする)誤解なのではないでしょうか。
 
精巧な機械か、名工の工芸品のごとき整いまくったスーパー美形フェイスなので、初見ではうっかりするとそのインパクトが強すぎて、あ~~~顔のパーツのバランスがパーフェクトや~、イケフェイスの一流デパートや~、顔面偏差値の宇宙や~、ディーンがフジオカなんや~~ああ~浄化されていくぅぅぅぅ(しゅ~きぃぃぃぃ)みたいな気持ちになっちゃうとしてまあここまでは自然だと思うのですが、いやいやでもそれってどこか思考停止じゃね?と。
 
あの甘いマスクはただの入口。その奥にきっとある、見果てぬフジオカファンタジーを探してみたくはないのかね、と。
 
探そう。ディーンフジオカの、弱点の先にある本当の魅力を!
 
そうだ、別の作品も見てみよう!(すっかりファンの思考)
 
え~っと、どれどれ、出演作は、お? あれ? あー、これに出てたんだ! 観たかったけどたまたまタイミングあわなくて観てない映画かよ。よしこれにしよう。
 

坂道のアポロン

映画:坂道のアポロン

 

 

 

!!

 

…!

 

淳にいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!

 
ほわ!
ほわ、ほわああああ!!
は、ははま、はまり役!!!!!!!
なにこれ、鬼・どハマり役じゃないですか!!!!
 
えー!えー!えー!もう、無知!
僕の無知!すげえじゃん!いたじゃん、ディーンいたじゃん、フジオカじゃん、この映画観てればよかったじゃん!
 
いや、淳兄って漫画・坂道のアポロンのなかでも飛び抜けてかっこいいキャラで、男の僕でも「まー、淳兄じゃあしょうがないかー!!」って全面的に雄として降伏するしかないくらい夢と理想と影とかっこよさの凝縮集合体って感じじゃないですか。ご存知ない方はぜひ読んでください。坂道のアポロンは傑作オブ傑作なので。で、淳兄は坂道のアポロン界のかっこよさを集めて固めたみたいなキャラなので、漫画かアニメかでしか表現できないだろうって、僕なんかはつい思っちゃうわけですよ。でも、
 
いるじゃん。
 
ディーンフジオカいるじゃん。
 
疑いなく淳兄役ができるわ。
 
知性ある野獣。
 
さわやかな暴風雨。
 
ディーン・淳兄・フジオカ。
 
キャスティングのイリュージョン!
 
なんか、もう、すいません。なんていうか。
 
トランペットになりたいです、はい。
 
淳兄の吹くトランペットになれればそれでいいんです。来世はがんばります。
 
 

禍福はあざなえる縄のごとし

 

えー、はい。取り乱しました。
 
ほかの映画も観たけど、はまり役ありますね。伊坂だけがディーンフジオカの頂点じゃないし、観ている人は僕よりもっと早くディーンフジオカを見いだしていて愛でていたんですね。呼んでよー、そのパーティー呼んでよほんと。
 
だから、お芝居の観点から彼を評価するのは自然だし、お顔の良さにばかり反応しないでもっと配役とのユニークな結びつきにも注目していいはずなんですね。
 
で、このあたりにどうやら武器でもありながら弱点でもあるなにかがありそうだ、と。
 
禍福(かふく)はあざなえる縄のごとしと言いまして、良いと悪いは表裏一体です。良いは悪く、悪いは良い。ディーンフジオカの良さはまったく同時に弱点でもあるのかもしれない、と。
 
それは一見したときの完全性の功罪。顔が良すぎる。だから、たとえば男性鑑賞者の反感を買うこともあるでしょう。なんっだこのモテそうオーラは!!けっ!みたいな。
 
また、よくよく注意深く見つめればその目の奥にやどるあたたかさに気付くこともあるでしょう。が、美の強度が高すぎるために、ともすれば「怖い」とか「つめたい」とか「Sっ気がすごい」みたいに感じたとしても不思議ではありません。
 
頭が良さそうに見えることで、わかり合えなさそうとか、遠い世界の人にみえる、という感覚もまああるだろうなと想像します。
 
とにもかくにも、それはしかたがないことで。
 
なにせあれほどの美形です。僕がこれまで生きてきた人生ぜんぶのあらゆる時点ですれちがってきた人間全員を照らし合わせても、あれくらいチャーミングで均整のとれた男性の顔って、やっぱり思い浮かばないです。
 
それほどの、ちょっと想像力のワクをはずれたところにいる実在の美形さん・ディーンフジオカ。その弱点なるは、顔面偏差値の高さです。
 
いわば、つきぬけた異質な美。並外れた美が人の理解を一瞬拒ませ、本質的な魅力へのアクセスを無意識に遠ざけてしまっている。なんと罪なディーンフジオカ、魔力にして魅力にして弱点は、美しすぎることにある、と。目をおもわずとじてしまうほど、まぶしすぎることにある、と。じっと彼を見つめていて、僕はそんなふうに思いました。
 

弱点の先に見つけた魅力

まぶしすぎる光に目をとじず、ディーンフジオカを好きという気持ちでじっと眺めていると、またいろんな良さが見えてきます。
 
僕がいま注目しているキーワードは、「愛嬌(あいきょう)」です。かっこいい、だけじゃないディーンフジオカ。どちらかというと、かっこいいが当たり前の彼が垣間見せる屈託のない可愛らしさ、人懐っこさみたいなところにこそ、ファンたちが美味しいお酒を酌み交わす材料があるのではないでしょうか。
 

まとめ

ディーンフジオカって可愛い。ディーンフジオカは萌える。ディーンフジオカはメインヒロイン。そういう眼鏡で一度彼を見てみてください。
 
とくにいままで彼にぜんぜん興味がなかった男性諸氏。良いものの良さを愛でることに性別は関係ないはずです。素敵なものをひとつ多く知れば、素敵なものがひとつ増えた人生になります。
 
なんだ、ディーンフジオカ、こいつけっこう可愛いとこあるじゃねえか。なんて上から目線で入っていってもいいと思います。ちょうど入門編にいいヒット映画も公開されていますし。
 
それでは、また。 
 
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