ハースストーンと愛妻、あと好きなもの

3児の父・社会人ハースストーンファンの趣味と備忘録

ハースストーン上達の経緯(その3)「レジェンドを目指す」

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こんにちは、macomoです。

 

僕のハースストーン上達の経緯のお話を書きます。おとといから続く3回の連載のさいごの記事になります。

前回までは、万年ランク25のぼっちプレイヤー→妻がハースストーンをはじめたことに発奮してランク15へ→社会人チームに出会ってフレンドが増えランク5へ、という流れのことを書きました。

今回はランク5まで急にジャンプアップした僕が、ランク戦50段階のさらにその上、レジェンドランクにチャレンジした時のお話です。前々回、前回の記事が上達のきっかけや心構えの話だとすると、今回はもうすこし実践的な内容になります。のろけ話はもううんざり、という方はこの記事だけお読みいただいてもお役に立てるような内容を目指しました。5000文字あり、全3回のなかでいちばん長いので、お時間があるときにお読みください。

 

2019年4月 新環境【悪党同盟】スタート!

奇数ハンターをにぎって勝ち星を乱獲し、あっという間にランク5に到達した僕が「レジェンドになってやる!」と意気込んだのは2019年3月の末のこと。月をまたぎ、4月になり、ハースストーン界に大きな大きな変化の時が訪れました。

新拡張セット【悪党同盟】がリリースされたのです。環境は激変しました。中でも僕にとって特大の変化は、奇数・偶数アーキタイプデッキがスタンダードから追放されたことです。僕がただひとつ頼っていた伝家の宝刀・奇数ハンターデッキ。それが従来のサイクルより1年もはやく禁止デッキ扱いされてしまいました。使い慣れた武器を失い、はたしていままで通り高位ラダーをのぼっていけるのかと不安がわきました。

ところが、ふたを開けてみればそれは杞憂でした。

ランク9から始まった新環境ラダーを、僕はZOOウォーロックで駆けあがりました。奇数ハンターを半月間みっちりやりこんでいた僕は、基本的なフェイスorトレード(敵本体を殴るか、ミニオンを処理するか)の判断力が以前より格段にあがっていたのです。有利トレードの考え方にそって、基本的なプレイングを丁寧にやっていく。それだけで連勝ボーナスもたくさんもらって、ランク10~6まではほとんど敵無しというくらいの実力がつきました。

あっさりとまたランク5に復帰し、旧環境では味わえなかったランク4から上へのチャレンジ権を得ます。さらに勝って勝って勝って、あれよあれよと自己ベストを更新。なんと、ランク1まで到達してしまいました。

でも、4月はここが限界。ゴールデンウィークは家族旅行でハースストーンから離れてしまったので、あと一歩のところでレジェンドチャレンジは終わりました。

 

・4月に学んだこと

 ひとつのデッキを使えるようになると、他のデッキも強く使える

 ランク5に安定してのぼれるなら、ランク10帯とは力量差が出る

 基本をていねいにやれば、ランク5まではいける

 

2019年5月 レジェンドまであと一歩、リーチするが・・・・・・

4月があまりにも絶好調だったので、もうレジェンドはすぐそこ!とばかりにラダーを回します。本当にすぐそこ、というところまで行きました。ランク1の星5。あと一回。あとたった一回勝てば、夢のレジェンドヒット!

 

ところが、その大事な大事な一戦は負けてしまいました。

 

これは本当にこたえました。精神的なショックが大きく、動揺し、プレイングの精度ははっきりと悪くなりました。勝てない、勝てない、勝てない・・・・・・。

 

そこからZOOを握る自信もなくなり、いろんなデッキを作っては負け、また別のデッキに浮気しては負け、負け、負け、ずるずると連戦連敗。レジェンドまでリーチをかけたところから、転落を続けてランク5の下限(それ以上もう星を失わない状態)まで吹っ飛ばされてしまいました。

 

チームメイトはみな口々に励ましてくれました。

「レジェンドリーチから星ゼロまでいくのはよくあること」

「僕はリーチから星ゼロを同月内で三往復したこともある」

「ランク1までいけたら実質レジェ」

「試合数を増やせば自然とレジェいけるだけの実力はもうある」

そうした応援を信じてラダーに挑戦しますが、結局5月にはレジェンドは達成しませんでした。

 

・5月に学んだこと

 ランク1の星5まで来ただけの実力はついている

 メンタルのブレはプレイの精度におそろしいくらい直結する

 応援してくれる人たちがいる。諦める必要はない!

 

2019年6月 慢心とあせりの大スランプ!

レジェンドリーチからの星ゼロノックアウトは、6月になっても精神的な悪影響として残っていました。日常的にもハースストーンのことばかり考えるようになって、負けるとイライラして、ハースストーンをちょっとつらいなと思うようにすらなりました。

一方で、ランク5から上の対戦相手にもいろいろいるんだな、ということがだんだん分かってきたのはいい傾向でした。4月、5月は、ランク5以上のレジェンドチャレンジをしているプレイヤーは、みんな僕なんかよりはるかに強くて上手い人ばかりなんだろうという気持ちでいっぱいだったのです。実際、ランク6以下のプレイヤーとはプレイングの的確さに差がみえます。明らかなプレイミスも少なくなっていきます。ランクがひとつ違うこと、それだけでプレイヤーとしての格がちがう、そういう世界なんだと感じる瞬間がいっぱいありました。

ところが、繰り返しやっているうちに、どうやら画面のむこうにいる対戦相手もまた、僕を怖がっているのかもしれない、と思うようになりました。僕が緊張し、警戒して、「ランク4の敵って超手強いなあ・・・・・・!」と身構えているのとまったく同じように、顔のみえない対戦相手だって「ランク4の手強いお前さんよお、俺はレジェンドいきたいから一敗もしたくねえんだよ頼むから自滅して勝たせてくれよ!!」と切実な願いをもって戦っているのかもしれない。

そう想像力を働かせるようになってからは、僕はつとめてリラックスすることにしました。必要以上に相手を怖がらない。気持ちのブレがプレイを弱くすることは、もう先月学びました。だから、よけいなことで気持ちを弱くしないほうがいい。僕も相手もチャレンジャーなのだから、チャレンジャー同士お互いのプレイをたたえあって、勝ち星を与えてあげてもまた取り返せばいいと考えるようになりました。

同時に、自分がチャレンジャーとしてはどれくらいの位置にいるかも体感的にわかってきました。僕は「ランク5の相手にならプレイミスの回数の差でわずかに勝てるけど、ランク1にのぼるにはちょっと実力がたりない」くらいのレベルなんだ、と。こうした理解のとおりに、6月はランク2まででストップ。来月はランク6からスタートだけど、まあたぶんランク5に復帰するのは簡単だろうな、みたいな楽な気持ちでした。チャレンジは、悪投同盟環境の末期たる7月に持ち越されました。

 

・6月に学んだこと

 ラダーはみんなチャレンジャー。格上も格下もない

 敵を必要以上にこわがる自分の心こそが最悪の敵

 プレイミスの回数の差で実力差がわかる

 

2019年7月 運命のレジェンドヒット!!!

そしてむかえた2019年7月。

環境最後の月で、ここでレジェンドになれないとまた新環境に慣れるところから始めるはめになるのではないかと、結果を焦る気持ちがつきまといました。レジェンドになるなら今月だ。ぜったいに今月いくぞ!

いざ、ランク6からスタート。

7月は、じつに波瀾万丈な一ヶ月をすごしました。

月初に勢いよくランク1までのぼり、また星ゼロまでノックアウトされ、それでも諦めずにラダーに挑戦しつづけました。メンタルのブレは、はじめてノックアウトをくらった5月にくらべて軽微でした。ハースストーンにはこんなこともある。また勝てばいい。これほどのことがあっても、気持ちをブレさせないメンタルコントロールの技術もまた、レジェンドに必要なことなんだと知りました。

でも、まだ勝てない。

気持ちだけでは届かない。

足りない理論を補強しよう。

有力プレイヤーのデッキガイドを読みあさりました。

テンペストさんの夕方配信を見て、「裏目」という考えを理解しました。

choccochiさんのブログからマリガンの重要性に気がつきました。

tansokuさんの動画(ワンブレスキルローグ)で腹がよじれるほど笑いました。

What'sUpのメンバーと戦って、自分なりにプレイ精度を高めました。

リーダーがっちゃんのMirativ配信で「勝利プラン」という概念をつかみました。

世界選手権の動画で、最後の最後の最後まで諦めない執念を見届けました。

 

この頃は、招来を搭載したドラゴンメイジと、ミッドレンジハンターを併用してレジェンドを目指していました。チーム随一のメイジ使いであるリーダー・がっちゃんにすこしでも近づきたくて、慣れないメイジを使ってみました。ミッドレンジハンターも、これまたがっちゃんの影響で、彼がやっている毎日配信でレジェヒットを配信したときのデッキをそのまま使いました。

 

そのときのミッドレンジハンターはこれのことです。

macomooo.hatenablog.com

 

僕はこの人みたいになりたい。みんなの中心で強くあり続ける人。自分なりの善悪をしっかりと持っている人。怒りとやさしさをきちんと使い分けられる人。レジェンドにいくぜ!と言って本当にレジェンドにいける、有言実行の強いハースストーンプレイヤー、がっちゃん。僕はリーダーそのものにはなれないけど、せめてリーダーが歩んだレジェンドへの道をなぞりたい。憧れの人をひとりきめて、その背中を信じて追いかけていく。彼が負けたときの切り替えの早さ、勝ったときのおごらない謙虚さ。見習いたいし、素直にかっこいいと思う。

ねばりにねばって、7月の末。31日。

その日は訪れました。

勝ちも負けも気にならないくらい、超高速でまわしてまわしてまわして、、、。

自分がいまランクいくつの星何個なのか、考えていませんでした。

まさに無心。

はっと気がついたときには、ランク1の星4。

その時、たまたま勝利画面にうつった「酒場の親父」と目があって、しまった!と思いました。意識してなかったけど、いま、ランク1のこんなところまできてたんだ!

 

知りたく、なかった。

 

無心で集中できていたのがよかったのに。

 

あと2勝と知ってしまった。

ふいにやってくる緊張感。

メンタルのブレへの警戒。

やばい。記憶を消したい。

きりかえよう。でもできない。

1敗。

やばい。勝利画面もランク情報ももう見てはならぬ。

なにも知らない。忘れろ。忘れろ。忘れろ。

よし、僕はチャレンジャー。

いま負けたけど、あと3勝。

よっしゃ1勝。

また1勝。

リーチ。

終戦。相手はシャーマン。マーロックか?アグロオーバーロードか?コントロールか?デッキタイプはなんだ?こちらはミッドレンジハンター。コントロールには不利。マロシャーにはどっこいどっこい。読め。マリガンで殺せ。相手は「必ず」マーロックシャーマンの「はず」だ。初手のアングラーを処理する手を考え抜け。ひりつくような空気。間違えるな。賭けにでろ。自室にこもっていたのに、いつのまにか妻が隣でみている。負けたくない。レジェンド到達の瞬間を妻に見せたい。考えろ。考えろ。考えろ。このターンにリーサルはあるか?ない。でも次のターンにはあるか?ありそう!「猟犬」の打点によっては届く。来い。広げろ。マーロックよ、本領を発揮してみせてくれ。横展開してみせろ。ほら、来い。来い。来い、かかってこい!よし、そうだ、それそれだよそれそれ、ありがとう、ありがとう、ありがとう、全力で倒そうとしてくれてありがとう、僕を叩き潰すために手をこらす相手の残りマナが切れていく。落ち着け。ガッツポーズにはまだ早い。リーサル計算を丁寧に。そして、そして、そしてーー

 

 

 

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や り ま し た!!!!!!

 

 

 

妻が引くほどの歓喜のガッツポーズ!!!!!

 

 

 

苦節5年。

ランク戦上位をめざしはじめて1年。

チームに出会って4ヶ月。

その日、12勝5敗の戦績で、どうにかこうにかレジェンドに滑り込むことができました。

 

・7月に学んだこと

 負けたときのメンタルコントロールは技術

 強い人のプレイングからたくさん勉強できることはある

 ランクがいくつか忘れるくらいでちょうどいい

 

まとめ

以上が、僕がレジェンドになるまでにたどったハースストーン上達の経緯です。ランク戦に苦手意識をもっていた万年ソロプレイヤーの僕でしたが、フレンドが増えたら自然とプレイスキルもあがっていった、みたいなまとめ方ができるかもしれません。

 

ハースストーンは個人競技ではありますが、だからこそ客観的な視点を得るための仲間には特別な価値があります。あるときはコーチングという直接的なアドバイスを授けてくれる先生として、またあるときは弱気を振り払うための勇気ある戦友として、ハースストーンを一緒に楽しんでくれる誰かの存在は、いまではかけがえのないものだと感じています。とはいえ、ソロアドベンチャーが楽しいという気持ちはいまでも全く変わっていません。ラダーが怖くなくなり、楽しみ方の幅がひろがって、ハースストーンをもっともっと好きになれた。それがこの一年で見つけた大切なことでした。

 

そんなありきたりな結論に落ち着いてしまうのですが、長々と3回分もの記事におつきあいくださいまして、本当にありがとうございました。これからラダーをやってみたいという気持ちになった方がひとりでも増えてくれたらそれにまさる幸せはありません。

 

今後も妻やハースストーンのことを気の向くままに書いていきます。もうちょっと読んでもいいかな、という方はまた別の記事の更新のときにこのブログをお訪ねください。

 

それでは、また。